大衆文学

香港警察東京分室 Hong Kong Police Force Tokyo Branch  月村良衛 2023.4.26 発行 第169回直木賞候補作

過去に、月村良衛さんのコルトシリーズを読んだときの、主人公やその仲間たちと敵対するグループらとの戦闘シーンの迫力がものすごかった印象が残っていて、今回はその現代版とでもいうべき傑作だ。

スノードロップ ~いつの時代とも知れないが、そう遠くない未来の物語~ 島田雅彦

スノードロップ 作者:島田雅彦 新潮社 Amazon まるで、ちょっと前までの皇后さまをモデルとしたかのような物語が始まった。 民間人であった不二子さまが陛下に嫁がれてからの苦しい胸の内がリアルに語られる。 皇室と政治や諸外国との関係も具体的で勉強にな…

あの日に帰りたい 小路幸也 ~2019.9.25初版~

四季の流れに乗せて、駐在所とその周辺の様子が、一年を通して感じられるようになっています。 また、サブタイトルに「駐在日記」とありますが、物語の書きっぷりは、妻の花さんの日記の体裁で語られるところが、ちょくちょく入ります。 そして、本文中は、…

ドローンスクランブル 未須本有生

マルチコプタードローンについて、防衛省の試験研究が始まった。メーカー側に提示された目標スペックはシビアなものだったが、フリーランスのデザイナー倉崎が、画期的なアイデアを思いつく。防衛省VS大企業VSベンチャー。ドローンをめぐる熾烈な駆け引き。…

春のこわいもの 川上未映子 ~2022.2.25初版~

川上未映子さんの「春のこわいもの」を紹介します。六編からなる短編小説です。コロナ禍の日常での精神が危うくなりつつある女性、男性が描かれています。

くるまの娘 宇佐見りん ~2022.5.20初版~

くるまの娘 作者:宇佐見りん 河出書房新社 Amazon 秋野かなこは、家庭環境(母の病気と父のDV、たぶん)のせいでメンタルがやられているが、どうにか学校には来ている。授業中に眠ってしまう。1年半前から、とつぜん動けなくなるか、何かを反復し続けるかだ…

老婦人マリアンヌ鈴木の部屋 荻野アンナ

なんとなくタイトルが面白そうだと思い、読んでみることにした。 割と高年齢の女性、具体的には、90歳、80歳、60歳くらいの女性たちが主役の物語である。 モエ60歳くらい、姪のクリコは大学院生 ラジオ体操で、「スマイル光」という家政婦やホームヘ…

結婚させる家 桂望実 the marriage house

結婚情報サービス会社のレジェンド相談員が自分の人生を振り返りながら他人の幸せのために提案する。 独身だと信頼されないから、ほんとうは独身なのに指輪をして既婚者を装うその相談員の桐生恭子さんは52歳。 結婚情報サービスの会員に発破をかけて、成…

猫はわかっている

猫はわかっている【電子書籍】[ 村山由佳 ]価格: 750 円楽天で詳細を見る 人気作家7人が猫への愛をこめて贈る、謎と企みに満ちた作品集。 短編集なので、とても読み易いです。 猫について、わかっていなかったことがいくつもありました。 でも、裏表紙には…

最後は臼が笑う 森絵都

桜子は、もうすぐ40だというのに、なんの取り柄もない男が好きな、筋金入りの都合のいい女だった。ところが、そんな彼女がみじんも愛せない完全な悪男に遭遇した!

できない男 額賀澪 30歳になっても、自分がどうしたいのか、どうなりたいのか分からない。責任と覚悟を避けてきた男たちに未来はどう応えるのか。何もしないヤツには、何も起きない!

30歳になっても、自分がどうしたいのか、どうなりたいのか分からない。責任と覚悟を避けてきた男たちに未来はどう応えるのか。何もしないヤツには、何も起きない!

女ともだち 村山由佳、坂井希久子、千早茜、大崎梢、額賀澪、阿川佐和子、島津輝、森絵都の女流作家8人が描く「女ともだち」は、かなりコワい!

女ともだち【電子書籍】[ 村山由佳 ]価格: 784 円楽天で詳細を見る タイトルのとおり、女ともだち同士の関係性が描かれていて、男のわたしには面白かったし、女性が読んだら、そうそう!と言える状況がたくさんあって、読むとかなりスッキリするのではないで…

スナック墓場 島津輝 てっきり寂れた場末のスナックか、ぼったくりスナックの話かと。。。

スナック墓場 [ 嶋津 輝 ]価格: 1540 円楽天で詳細を見る スナックで大金を払う羽目になったわたしは、自分と同じような境遇の寂しい男の話でも読んで慰めてもらおうというつもりで読むことにしたのであるが、短編小説で七編も収録されており、ちょっと得し…