放送部部長の朝島君は、幕が降ろされた体育館のステージで演台にもたれたまま眠っている。胸にはナイフが刺さっていた。 体育館の殺人 青崎有吾

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体育館の殺人事件が起こったあと、その場付近にいた者たちは、先生から生徒まで別室に待機させられ、県警の仙堂警部と部下の袴田刑事によって、ひとりずつ事情聴取されるが、なんとその関係者のなかに袴田刑事の妹がいるというドラマ仕立てのハプニングが用意されており、本格推理小説ではなく、バラエティー風味の推理小説の香りがしてきた。嫌いではない。

 


登場人物と学校の見取り図が記載されており、推理小説(読書)の苦手な人にも親切な感じになっている。
そして、仙堂警部と袴田刑事が聞き取った内容が整理されるシーンもあり、これまた親切だ。

彼らは体育館が密室だったことを確認し、体育館に殺された朝島くんと卓球部の佐川奈緒が五分だけ二人きりになる時間があったと結論づけた。
敏腕警部の推理は固まった。「犯人は佐川奈緒だ!」

やはり、優秀と言われる警部ほど、自分が見つけることができた証拠だけで、いち早く結論を出して、手柄にしたがる。のか、と個人的に思う。

さて、その佐川奈緒の窮地に、とんでもない助っ人が登場するのである。
もう、おわかりであろう。上の方で「バラエティー的」とヒントを出してしまったので。

そう。名探偵コナン(的な高校生)の登場である。ますます、若者に受ける展開ですな。嫌いではない。


さて、その名探偵とは・・・(つづく)

 

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お読みいただきありがとうございました。
今回はいかがでしたでしょうか。 学園風ではあるものの、体育館という大きな箱を密室にしてしまう手腕に解説者の辻真先さんも熱く語っておられました。
ぜひお読みいただけたらと思います。平日の夜、二晩もあれば読めます。仕事に支障をきたさぬよう、0時には就寝しましょう。

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