死生観

たった一日で人生が変わってしまう 『明日、世界がこのままだったら』 行成薫 感想 あらすじ ファンタジーか?

はじめに 死にそうな人が、ほんとうに死んでしまうまでの間に訪れることになるのが「狭間の世界」である。実際は思い出の風景が狭いエリアに存在して、人は存在しないという世界で、生きていた環境への未練を絶ち、魂だけになるところだと言う。今までいろん…

裏切りのギフト ~資本主義に鉄槌を下す~ 穂波了

アガサクリスティー賞受賞作家のこの小説の分類は、サスペンス・SF・ミステリーというのは、欲張りすぎだろうか? およそ三十年前、中国政府は各分野で活躍できる人材を創る計画を極秘で実行し、作り出されたのがギフテッド・デザイナーベビー。IQ180を超え…

旅のない 上田岳弘 ~ コロナ禍下 2021年 講談社 ~

旅のない 作者:上田岳弘 講談社 Amazon 第1話 悪口 システムエンジニアの男がコロナ禍で、彼女とホテルで過ごしながら仕事をしたり、 第2話 つくつく法師 ある男が引っ越しを機に発見した「昔書いた小説」を読み返しつつ過去を振り返ったり、 第3話 ボー…

老婦人マリアンヌ鈴木の部屋 荻野アンナ

なんとなくタイトルが面白そうだと思い、読んでみることにした。 割と高年齢の女性、具体的には、90歳、80歳、60歳くらいの女性たちが主役の物語である。 モエ60歳くらい、姪のクリコは大学院生 ラジオ体操で、「スマイル光」という家政婦やホームヘ…

詩と哲学のあいだ 三好由紀彦 を読んだら、死と宗教の関係まで分かってしまった!

詩と哲学のあいだ 作者:三好 由紀彦 晃洋書房 Amazon 哲学は自由で詩のようだ。 哲学は最終的には死というものと対峙しなければならない。 そのとき、宗教とも相まみえる。 詩とは、ときに死であるから、「詩と哲学のあいだ」は「死と哲学のあいだ」でもある…

ビジネスマンに贈る最後の言葉 ユージーン・オケリー

アメリカ四大会計事務所の一角であり、一世紀余りの歴史を持つ会計事務所KPMGの会長兼CEOであった著者が、五十三歳という若さで、突然余命三ヶ月を告げられたのである。