壊れかけのせんぷうき 読書男

仕事、介護、管理組合で釣りに行けてないなあ…

『どくとるマンボウ航海記』以来30年ぶりにマンボウで先生が見たポルトガル。二度と戻ることのない懐かしい時間と青春の日々。久しぶりのポルトガルは文明開化していた!

本の紹介 『マンボウ哀愁のヨーロッパ再訪記』 北杜夫

はじめに

50年ほどむかし、子どものころ、中学生か高校生のときに、「どくとるマンボウ航海記」を読んだ記憶があり、その読後感の良さだけは残っていた。

そのマンボウ先生の本を図書館で見つけて、マンボウ先生の話を急に読んでみたくなった。

感想

同じ場所へ二度以上、行くことはある。今回のマンボウ先生の話もそうだ。

そして同じ場所を何度も訪れて、その都度の印象の違いを記録することは面白いことだと私も気づいた。

マンボウ先生のように豪快なエピソードは凡人の自分には無いにしても、その印象の違いを楽しめそうだと思う。

自分が若いころに読んだ「どくとるマンボウ航海記」の印象とは違い、マンボウ先生にこんな面白いエピソードがたくさんあるのは、時代と身分に恵まれていたからだろうと思った。

なぜなら、祖父の時代から大病院があり、お医者さんの家系なのだ。

そう考え付いたところで、少し気分が乗らなくなってきた。

軽井沢がいいだの上高地はどうだの。箱根に葉山・・・。私の心が狭いせいで、全部自慢話に聞こえるようになっていた。

奥様も乗馬するなんてところに差し掛かると、なんだ超上流階級ではないか、という僻みまで出てきたが、あともう少しというところまで読んでいたため、なんとか読了までこぎ着けた。

そして、最も驚いたのがこれだ。

マンボウ先生は、そのあだ名の「マンボウ」や「航海記」という本のタイトルなどから、そうとうな海好き男だと思っていたが、実は子供のころから祖父の箱根の山荘で過ごすのが好きで、山好き男だという告白であった。


では内容を少し

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書籍情報・著者情報はこちら

書籍情報
・形式 単行本
・出版社 株式会社 青春出版社
・ページ数 202頁
・著者 北杜夫
・初版発行 2000年10月10日
・分類 エッセイ

著者情報
 1927年東京生まれ。作家。東北大学医学部卒。
『夜と霧の隅で』で芥川賞を受賞。
『揄家の人びと』で毎日出版文化賞、『輝ける碧き空の下で』で日本文学大賞、茂吉四部作で大佛賞を受賞。近刊は『消えさりゆく物語』。2011年逝去。

(本書およびネットの情報から)

 

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南新宿のくたびれたビルの二階に心霊現象専門の探偵事務所がある。所長の濱地健三郎と助手の志摩ユリエは、ともに霊能者、持ち込まれる相談は当然ながらミステリーというより・・・

『濱地健三郎の幽たる事件簿』 有栖川有栖

アリスガワアリス、まったくふざけたペンネームだ。どこかで有栖川有栖さんの著作は読んだことがあるだろうか?

本の装丁がおしゃれな気がして、ついうっかり手に取った。純粋な推理小説のつもりが、心霊現象専門の探偵事務所らしい。

あまりホラーは好きではないが、陰陽師なら好んで観るので、現代の陰陽師だと思えば、それほど怖さの印象は残らない。むしろ、勧善懲悪・鬼退治的な心地よさがある。

全部で短編が七編。『ホームに佇む』、『姉は何処』、『饒舌な依頼人』、『浴槽の花婿』、『お家がどんどん遠くなる』、『ミステリー研究会の幽霊』、『それは叫ぶ』

よく分からない話もあるが、一番気に入ったのは、『姉は何処』である。やや推理小説っぽいことが理由だ。


あらすじはこちら👇

『濱地健三郎の幽たる事件簿』 有栖川有栖 の感想と登場人物など - 悠々として急げ

 

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長江准教授が美味しい酒と肴をあてにして、知人のエピソードの真相を解明する。主人公は友人の冬木夏美なんだけど

『Rのつく月には気をつけよう 賢者のグラス』 石持浅海

七つのお酒と肴を味わいながら、七つの身近な謎を大学准教授が解き明かしていきます。

「ふたつ目の山」「一日ずれる」「いったん別れて、またくっつく」「いつの間にかできている」「適度と言う言葉の意味を知らない」「タコが入っていないたこ焼き」「一石二鳥」の七つのエピソード。

どのエピソードにも、下記の説明文が付いてきます。


「私―冬木夏美と長江夫婦は、大学時代からの友人だ。三人とも酒好きということもあって、学生時代からよく一緒に飲んでいた。社会人になってからもそれは変わらず、わたしが結婚したら夫の健太も加わって、四人で楽しんでいた。ところが渚と結婚してすぐに、長江がアメリカ合衆国に職を見つけて、一家で移住してしまった。我が家は我が家で息子が生まれて、子育てにてんてこ舞い。とても外に飲みに行く余裕はなかった。そんなわけでしばらく途絶えていたのだが、ようやく落ち着いてきた頃に、長江が日本の大学にポストを得て、妻と娘を連れて帰国したのだ。おかげで、かつてのような飲み会を復活させることができた。」

そして、たわいもないおしゃべりがきっかけで、私(冬木夏美)や友人が、昔のエピソードを思い出し話しますが、それを聞いていた准教授の長江が横から「事の真相」を解き明かして皆を驚かすという趣向なのです。

短編ミステリー好きにはとってもいい酒の肴になることでしょう。

では、詳細な内容をお話しましょう👇

『Rのつく月には気をつけよう 賢者のグラス』 石持浅海 の感想と登場人物など - 悠々として急げ



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八ヶ岳南麓に移住した家族の周辺に乱立しはじめた大手飲料水企業の工場群が天然水を大量取水すると家族の井戸が枯渇した!

蛇口をひねれば天然水!そんな環境で暮らそうと秋津俊介は八ヶ岳南麓に移住した。
観光地にも近く、ガイドブックにも紹介されて、土日祝日は開業したレストランのテーブルは満席になる。

病気がちだった息子も元気になり、そのレストランの 経営も順調だったが、いつのまにか山麓には多くの飲料水メーカの工場が乱立していた。

ある日突然、井戸に異変が起こり、水が濁った。設備屋に調べてもらったが、水道管の錆ではなく水そのものが濁ったのである。やがて水が出なくなってしまう。

秋津は問題を解決しようと、飲料水メーカと癒着する現職市長の対抗馬を応援する選挙活動に奔走するうちに、“水”という自然からの贈り物の大切さに気づく。果たして枯渇した井戸水を復活させることができるのか。

つづき(関連情報)👇

『サイレント・ブルー』 樋口明雄 の感想と登場人物など - 悠々として急げ

 

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警察小説だと思って手に取ると、オカルト的な展開に驚く。あるバンドのボーカルの歌声を聴いた少年たちが犯罪に走り出す!

『ボーダーライト』 今野敏

警察小説だと思って読み始めたのだが、オカルトだ。前もこんなことがあった。『脈動』を読んだときだ。お祓い師から役小角へと役者が変わった。


舞台は神奈川県の高校。事件を捜査するのは神奈川県警少年捜査課。
神奈川県内で少年犯罪が急増しているため少年捜査課の堀内係長から指示されて、高尾と丸木の捜査員が調査を始める。


そして、ふたりの捜査員もよく知る高校生の赤岩が、暴力団が関係する薬物取引の現場で検挙されてしまった。
赤岩は同級生の賀茂晶の助言で、昔の仲間が取引に手を出そうとしたのを知り、邪魔しに来ただけだというが、暴力団対策課や薬物銃器対策課はそんなことは信じてくれない。


賀茂晶は大昔の修験道の開祖で呪術者ある役小角が降臨してくるという不思議な少年だった。
横浜で売春や特殊詐欺が発生していたが、罪を犯した若者たちの共通点は、人気バンドのファンということだった。そのスカGというバンドのカリスマ的なボーカルのミサキのうたを直接聴いた少年たちが犯罪に手を染めているらしいと分かってきた。


少年事案ではあるが、暴力団がらみであることから、みなとみらい署のマル暴・諸橋「ハマの用心棒」らとも協力し、高尾「仕置き人」と丸木の捜査員が真相解明を目指す。


今野さんの小説は、ほぼ会話で成り立っていて、テレビドラマを見るような感覚になるため、読書するスピードが上がり、あっという間に読了した。もう少し、みなとみらい署の「ハマの用心棒」らも活躍するのかと期待したが、登場シーンは少なかった。


ミサキ(イメージ)


つづき(関連情報)👇

『ボーダーライト』 今野敏 の感想と登場人物など - 悠々として急げ


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