本の紹介 『マンボウ哀愁のヨーロッパ再訪記』 北杜夫
はじめに
50年ほどむかし、子どものころ、中学生か高校生のときに、「どくとるマンボウ航海記」を読んだ記憶があり、その読後感の良さだけは残っていた。
そのマンボウ先生の本を図書館で見つけて、マンボウ先生の話を急に読んでみたくなった。
感想
同じ場所へ二度以上、行くことはある。今回のマンボウ先生の話もそうだ。
そして同じ場所を何度も訪れて、その都度の印象の違いを記録することは面白いことだと私も気づいた。
マンボウ先生のように豪快なエピソードは凡人の自分には無いにしても、その印象の違いを楽しめそうだと思う。
自分が若いころに読んだ「どくとるマンボウ航海記」の印象とは違い、マンボウ先生にこんな面白いエピソードがたくさんあるのは、時代と身分に恵まれていたからだろうと思った。
なぜなら、祖父の時代から大病院があり、お医者さんの家系なのだ。
そう考え付いたところで、少し気分が乗らなくなってきた。
軽井沢がいいだの上高地はどうだの。箱根に葉山・・・。私の心が狭いせいで、全部自慢話に聞こえるようになっていた。
奥様も乗馬するなんてところに差し掛かると、なんだ超上流階級ではないか、という僻みまで出てきたが、あともう少しというところまで読んでいたため、なんとか読了までこぎ着けた。
そして、最も驚いたのがこれだ。
マンボウ先生は、そのあだ名の「マンボウ」や「航海記」という本のタイトルなどから、そうとうな海好き男だと思っていたが、実は子供のころから祖父の箱根の山荘で過ごすのが好きで、山好き男だという告白であった。
では内容を少し
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書籍情報
・形式 単行本
・出版社 株式会社 青春出版社
・ページ数 202頁
・著者 北杜夫
・初版発行 2000年10月10日
・分類 エッセイ
著者情報
1927年東京生まれ。作家。東北大学医学部卒。
『夜と霧の隅で』で芥川賞を受賞。
『揄家の人びと』で毎日出版文化賞、『輝ける碧き空の下で』で日本文学大賞、茂吉四部作で大佛賞を受賞。近刊は『消えさりゆく物語』。2011年逝去。
(本書およびネットの情報から)
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