壊れかけのせんぷうき 読書男

本をタダで貸してくれる図書館が好き

SF

鈴木保奈美さんの番組「この本読みました?」で、結城真一郎さん本人が出演されてこの本の存在を知る。この投げやりなタイトルの真意が知りたくて本屋に足を運んだ。

本の紹介 『どうせ世界は終わるけど』 結城真一郎 人類滅亡の 危機がやってくる── それも百年後に。 なげやりになりかけた人類には、まだ考え直す時間があった。

本の紹介 『 スペース金融道 』 宮内悠介

人類が最初に移住に成功した太陽系外の星、通称・二番街、地球からは十七光年離れている。ボクと上司のユーセフは、新星金融の取り立て屋だ。債務者は、人間のほかにアンドロイドやバクテリアや人工生命などがいて、さながら「スターウォーズ」の酒場を初め…

『僕たちのアラル』 乾緑郎 単行本の表紙の絵が綺麗

僕たちのアラル【電子書籍】[ 乾 緑郎 ]価格: 1650 円楽天で詳細を見る 装丁の絵がSF的で美しい。そんな理由でこの本を手に取った。だが、よく見ると、砂漠のような大地の上に難破船のような寂れた船があり、その船上に若い男女が見える。遠くには、透明なド…

『売国のテロル』 穂波了 あらすじ 感想

アフリカの漁村からはじまり、全世界規模へ拡大したワクチンの無い新型炭疽菌の感染症災禍。 特定された発生源は――国際宇宙ステーション(ISS)の日本モジュールだった!

人工知能に小説は書けるか?ポロック生命体 瀬名秀明 新潮社

はじめに 「人工知能に小説は書けるか?」というフレーズで始まると、次のようなことを考えてしまう。2024年の今なら、ChatGPTを知った我々は、ある程度条件を提示してやれば、書けてしまうよ、と思うかもしれないが、この書籍が世に出た2020年にはChatGPTは…

裏切りのギフト ~資本主義に鉄槌を下す~ 穂波了

アガサクリスティー賞受賞作家のこの小説の分類は、サスペンス・SF・ミステリーというのは、欲張りすぎだろうか? およそ三十年前、中国政府は各分野で活躍できる人材を創る計画を極秘で実行し、作り出されたのがギフテッド・デザイナーベビー。IQ180を超え…

カタストロフ・マニア 島田雅彦

この近未来小説は、発刊された2017年の時点で、2019年からのコロナ禍を予見したかのような内容です。 それに加えて、物語の設定から、いろんなことが想起されます。 まず、カタストロフ(大災害)の原因が、太陽の「コロナ質量放出」という点。言葉だけの一…

最先端のVRゲームと最近話題になっている人工知能(AI)が大切な要素のSF的ミステリー 「火刑列島」(森晶麿 2018年6月 初版発行)

火刑列島【電子書籍】[ 森晶麿 ]価格: 1320 円楽天で詳細を見る 現象学者の緒ノ帆は火災で恋人を失う。 被害者たちのスマホに同じ謎の女性の画像があることがわかる。 露木は自分が「予現者」であると主張し、「行方不明の彼女を探す消防士のホムラ」と緒ノ…

ニルヤの島 柴田勝家

人生のすべてを記録し再生できる生体受像の発明により、死後の世界という概念が否定された未来。ミクロネシア経済連合体を訪れた文化人類学者イリアス・ノヴァクは、浜辺で死出の船を作る老人と出会う。この南洋に残る“世界最後の宗教”によれば、人は死ぬと“…