悪い女 ~暴走弁護士~ 麻野涼

悪い女 ~暴走弁護士~ 麻野涼

冬の川崎市の埋め立て地、扇島の西側にある公園近くの立ち入り禁止の埠頭で、男が海に落ちたとの通報があり、警察のパトカー三台と救急車が急行した。
通報したのは、歌舞伎町にある暴力団組員の妻だった。

元暴走族の弁護士の「真行寺悟」が登場します。そしてそれを支えるのは、元レディース紅蠍初代総長、慶応大法学部卒で興信所代表の野村悦子である。

まあ、ちょっとあり得ないような設定ですが、嫌いではない。

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放送部部長の朝島君は、幕が降ろされた体育館のステージで演台にもたれたまま眠っている。胸にはナイフが刺さっていた。 体育館の殺人 青崎有吾

体育館の殺人事件が起こったあと、その場付近にいた者たちは、先生から生徒まで別室に待機させられ、県警の仙堂警部と部下の袴田刑事によって、ひとりずつ事情聴取されるが、なんとその関係者のなかに袴田刑事の妹がいるというドラマ仕立てのハプニングが用意されており、本格推理小説ではなく、バラエティー風味の推理小説の香りがしてきた。嫌いではない。

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やってみなはれ みとくんなはれ 山口瞳、開高健

 

~文庫版の裏表紙から~

サントリーの創始者・鳥井信治郎は赤玉ポートワインで成功し、日本初のウィスキー製造に挑戦。戦後、息子の佐治敬三は父親の精神でビール市場に参入。宣伝部出身の作家が描く「幻のサントリー社史」は、ベンチャー精神に満ちた企業の歴史を記している。

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学生時代の同級生に助けを求められる夢を見た。その彼女が演出し出演するはずだった・・・ ハムレット殺人事件 芦原すなお


ハムレットの公演をする予定だった出演者たちの多くが、公演の前日の稽古で、殺されるという不可解な事件が発生した。

 

私立探偵のふーちゃんこと山浦歩と同業の笹野里子が、警視庁の遠藤警部から情報を得ながら事件の真相を探る!

 

亡くなった女優の夏日薫は、ふーちゃんの学生時代の演劇仲間で想い人であったためか、その捜査には並々ならぬ気持ちが込められるが、それはそれで、ふーちゃんに気がある笹野女史としては面白くないのだ。きっと亡くなったふーちゃんの奥さんも同じ思いだろう。

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旅のない 上田岳弘 ~ コロナ禍下 2021年 講談社 ~

旅のない

旅のない

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第1話 悪口

システムエンジニアの男がコロナ禍で、彼女とホテルで過ごしながら仕事をしたり、

 

第2話 つくつく法師

ある男が引っ越しを機に発見した「昔書いた小説」を読み返しつつ過去を振り返ったり、

 

第3話 ボーイズ

子どもの持てなかった夫婦が、弟夫婦の子らを預かって、いろいろ考えたり、

 

第4話 旅のない

出張先で取引先の男の製作する映画に出演してしまったり(していないようでもある)する表題作

など、

 

コロナ禍の人々の、どこか人生を振り返るような感じの短編作品でした。

 

その内容について、もう少しお話ししましょう。

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お読みいただきありがとうございました。

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