はじめに
アガサクリスティー賞受賞作家のこの小説の分類は、勿論ミステリー?
殺人犯を探すわけではなさそうだが。。。
サスペンスSFミステリーというのは、欲張りすぎだろうか?
本の感触は柔らかく、文字および行間も程よく、老眼の私にも読み易そうだったのと、ややSFっぽいカバーの挿絵が気に入ったので読んでみることにした。
この小説家の以前に読んだ本が面白かった記憶があったので、図書館で借りたのだが、その中身が、やや苦手なホラーっぽいところがあるのに気付いたのは、第一話を読み終えるころだった。
神楽坂の母と呼ばれる占い師に未来を占ってもらった友人の尚子さんからの相談が始まりだった。
占い師の言った言葉に、尚子さんが付き合っていた彼がキレて、暴言まで吐いて、金も払わずに帰ってしまったところから、おかしなことになり始めた。
そう、人間関係がおかしくなるのは、ほんのちょっとしたことがきっかけなのである。
あなたもこの本に付いている「しみ」は見ない方がいい。
悪い女 ~元暴走族弁護士~ 麻野涼
冬の川崎市の埋め立て地、扇島の西側にある公園近くの立ち入り禁止の埠頭で、男が海に落ちたとの通報があり、警察のパトカー三台と救急車が急行した。
通報したのは、歌舞伎町にある暴力団組員の妻だった。
元暴走族の弁護士の「真行寺悟」が登場します。そしてそれを支えるのは、元レディース紅蠍初代総長、慶応大法学部卒で興信所代表の野村悦子である。
まあ、ちょっとあり得ないような設定ですが、嫌いではない。
続きを読む体育館の殺人事件が起こったあと、その場付近にいた者たちは、先生から生徒まで別室に待機させられ、県警の仙堂警部と部下の袴田刑事によって、ひとりずつ事情聴取されるが、なんとその関係者のなかに袴田刑事の妹がいるというドラマ仕立てのハプニングが用意されており、本格推理小説ではなく、バラエティー風味の推理小説の香りがしてきた。嫌いではない。
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